農業食料組織経営学分野

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京都大学
農学研究科
生物資源経済学専攻

 科学研究費補助金基盤(S)研究 「食品リスク認知とリスクコミュニケーション、食農倫理とプロフェッションの確立」 (研究期間2010年度〜2014年度)


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●「放射性物質の健康影響に関する科学情報」の改訂版をアップしましたので、ご覧ください。
●2011年度科研費成果を更新しました。


 「科学研究費補助金基盤(S)研究 「食品リスク認知とリスクコミュニケーション、食農倫理とプロフェッションの確立」(以下、「食品安全科研費」とします)は,京都大学大学院農学研究科・新山陽子教授を代表とし,2010年度〜2014年度の5年間を研究期間とする科研費研究(基盤研究 S)です。
 本ホームページでは研究の概要や進捗状況,研究成果,研究会の案内などを定期的にお知らせしていきたいと思います。

1.研究目的
2.研究メンバー
3.研究課題
4.研究成果の概要
5.これからの研究会の案内
6.2009年度以前の研究成果

1. 研 究 目 的 


 世界的に病原微生物による食中毒やダイオキシンなど化学物質による食品汚染事故が頻発し,食品の安全を確保することは,市民が健康な生活を送る上での国際的な懸案事項となっている。そのためにWTO(世界貿易機構)のSPS協定にもとづき,Codexが提示するリスクアナリシスを食品安全行政に導入することが喫緊の課題である。この枠組みの目的はリスク低減措置の立案を科学的根拠にもとづいて行うことにあり,科学的データの収集、評価理論や手法を開発するための科学(レギュラトリ-サイエンス)の確立が必要である。本研究はその一翼を担うものである。  本研究は,リスクアナリシスのなかで最も重要な要素とされるリスクコミュニケーションに焦点を当てる。リスクコミュニケーションは,リスク低減の意思決定のために,リスク評価者(科学者),リスク管理者(行政),消費者,食品事業者などすべての関係者が,情報を共有し,双方向に意思疎通をはかることを指す。しかし,成功しているとは言い難く,世界的にも双方向の意思疎通の手法が確立していない。社会心理学者のSlovic(1998)は,困難の原因のひとつは,市民のリスク認知の複雑な性質の理解の失敗にあるとしている。 そこで本研究では,まず認知科学的なアプローチをとり,市民や関係者のリスク認知特性を国際調査によって把握し,それにもとづいてコミュニケーション実験を行い,双方向のリスクコミュニケーションのモデルを提示する。 また,市民の食品やフードシステムに関する認識は極めて脆弱であり,これを補強することがバランスのとれたリスク認知やスムーズなリスクコミュニケーションの前提となる。そこで,市民の食品認識構造を選択実験などによって把握し,フードコミュニケーションのプログラムと教材を開発する。 さらに,コミュニケーションやリスク管理における信頼につながるのが,食品企業倫理,農業倫理,専門家である食品衛生管理者の職業倫理と専門職業の確立である。その基礎的な国際調査・比較研究を実施し,テキストや制度を構想する。 以上により,認知と倫理の両面から基礎研究を実施し,効果的な双方向コミュニケーションのモデルを示し,国際的に新たな知見を提示し関連分野の研究の進展に寄与すると共に,リスクアナリシスの進展に寄与することを目的とする。

 2. 研 究 メ ン バ ー 


 本研究グループは,以下に示すように広領域の研究者からなる。メンバーは,これまでも食品安全システムについて包括的な情報収集を行い,体系的な整理と課題の抽出を行ってきている(「7. これまでの研究成果」を参照)。

■ 研究代表者
 新山陽子(京都大学農学研究科)

■ 研究分担者
 春日文子(国立医薬品食品衛生研究所)
 栗山浩一(京都大学農学研究科)
 高鳥毛敏雄(関西大学社会安全学部)
 楠見孝(京都大学教育学研究科)
 秋津元輝(京都大学農学研究科)
 鬼頭弥生(京都大学農学研究科)
 工藤春代(京都大学農学研究科)

■ 連携研究者
 筒井俊之(動物衛生研究所)
 今井裕(京都大学農学研究科)
 小澤守(関西大学社会安全学部)
 松本恒雄(一橋大学法学研究科)
 細野ひろみ(東京大学農学生命科学研究科)
 矢坂雅充(東京大学経済学研究科)
 波夛野豪(三重大学農学研究科)
 竹之内裕文(静岡大学農学研究科)
 立川雅司(茨城大学農学研究科)
 河村律子(立命館大学国際関係学部)
 清原昭子(中国学園大学現代生活学部)
 辻村英之(京都大学農学研究科)

 3. 研 究 課 題 


 以下の4つの課題について,食品衛生学,動物衛生学,公衆衛生学,行動経済学,心理学,民事法学などの研究者を組織し,研究を実施する。

(1)リスク認知構造基礎研究
 これまで蓄積した市民のリスク認知の6カ国の国際比較研究を基礎に,関係者の認知の国際調査に拡張し,得られたリスク認知特性(ゆがみ)の原因を探る心理学的調査を新たに実施する。また,これまでに開発した評価法を用いて,市民のリスク情報理解への影響要因の実験心理学的解明を進め,情報提供法を提示する。

(2)リスクコミュニケーション実験による双方向コミュニケーションモデルの提示
 リスク評価経験のある分担研究者により病原細菌など4つの危害要因のリスク評価を収集,また,リスク管理措置の費用効果分析を実施し,各情報を作成する。あわせて,リスクコミュニケーション典型事例調査をもとに双方向コミュニケーション手法の実験モデルを作成し,コミュニケーション実験を行う。これによってリスク認知特性に対応した,リスク評価結果,リスク管理措置の選択肢に関する提示情報内容,双方向コミュニケーション手法の開発を行う。

(3)食品認識調査とフードコミュニケーションテキストの作成
 これまでに蓄積した実験経済学手法を用いて,市民の食品,農業理解レベルを解明する。あわせて諸外国のフードコミュニケーションプログラムの事例収集,典型事例調査を実施し,本研究各課題の知見を持ち寄り,これにより,バランスのとれたリスク認知やスムーズなリスクコミュニケーションの前提となるフードコミュニケーションプログラム・テキストを作成する。

(4)食品関係者の職業倫理と専門職業に関する基礎研究とモデルの提示
 食品企業倫理コードにおける不確実性,複雑性への対応の文化・伝統による差異に関する比較分析を行い,日本のモデルを作成する。また食品安全問題に関わる意思決定事例を収集し,食品衛生技術者の倫理的意思決定を支えるテキストを構想する。さらに専門職業制度に関する基礎的な国際調査・比較研究を実施し,日本の制度を構想する。

 4. 研 究 成 果 の 概 要  


2010年度科研費成果
2011年度科研費成果

 

 5. 今 後 の 研 究 会 の 案 内  




 6. 2009 年 度 以 前 の 研 究 成 果 

■ 2007年度〜2009年度の科研費研究の成果 ■


 2009年2月に以下の調査報告書を公表しています。
 クリックするとPDFファイルが開きます。

『欧州連合における食品安全行政と食品産業団体、食品事業者の取り組みに関する調査報告書
−リスクマネジメント、レギュラトリーサイエンス、トレーサビリティ、一般衛生管理とHACCP、公的コントロール−(ヒアリング記録)』



 本科研費研究に先立つ,2007年度〜2009年度の科研費研究「科学を基礎とした食品安全行政/リスクアナリシスと専門職業、職業倫理」(研究代表者・京都大学農学研究科新山陽子教授)の研究成果は以下の報告書にまとめられています。

科学研究費補助金(基盤(A)) 助成研究報告書
『科学を基礎とした食品安全行政/リスクアナリシスと専門職業、職業倫理 最終報告書(2010年3月)』

クリックするとPDFファイル(目次)が開きます。

■ 2004年度〜2006年度の科研費研究の成果 ■ 


 本科研費研究に先立つ,2004年度〜2006年度の科研費研究「食品由来のリスクの解析と管理,情報交換,教育に関する総合的研究」(研究代表者・京都大学農学研究科新山陽子教授)の研究成果は以下の報告書にまとめられています。

科学研究費補助金(基盤(A)) 助成研究報告書 課題番号16208022
『食品由来のリスクの解析と管理,情報交換,教育に関する総合的研究(最終報告書)(2007年3月)』

クリックするとPDFファイル(目次)が開きます。